塩ビシート防水カバー工法は、既存の防水層を撤去せずにその上から新たな防水層を設ける「カバー工法」の一種であり、マンションなど集合住宅の防水改修において非常に多くのメリットを持つ優れた工法として注目されています。
この工法は、屋上部分の改修にとどまらず、ルーフバルコニーや架台基礎といった細部構造まで対応が可能であり、建物全体にわたる多様な部位の防水対策に適用することができます。また、架台の基礎が複雑に配置されている場合や、形状が入り組んでいるケースにおいても、塩ビシート単体での施工が難しい箇所には塗膜防水との複合仕様によって柔軟に対応できるため、現場条件に左右されにくいという特長があります。
さらに、塩ビシート防水カバー工法の大きな利点のひとつは、既存の防水層を撤去せずに施工が可能であることです。これにより、撤去工事に伴う騒音や粉じん、さらには廃材の発生を最小限に抑えることができ、環境負荷の低減と同時に、産廃処理費用や人件費などのコスト削減にもつながります。
加えて、既存の防水層をそのまま残すことにより、施工中に万が一雨天に見舞われた場合でも、既存防水層が一時的な防水機能を維持するため、雨養生に過度な配慮を要しないという安心感があります。これにより、天候による工程の中断リスクを低減し、計画的かつスムーズな工事進行が可能となります。
また、塩ビシート防水は材料自体が非常に耐候性・耐久性に優れており、施工後にトップコートなどの定期的な再塗装を必要としないのが特長です。一般的に、適切な施工がなされた場合には15年以上にわたってメンテナンスフリーで高い防水性能を維持できるため、長期的な観点で見たときに、維持管理コストが非常に低く、経済的なメリットが大きい点も見逃せません。
このように、塩ビシート防水カバー工法は、コスト・施工性・環境配慮・維持管理といったさまざまな側面でバランスの取れた防水改修手法であり、特にマンションをはじめとする大規模建築物における改修工事において、有力な選択肢のひとつとして広く採用されています。
塩ビシート防水アンカー固定工法
塩ビシート防水接着工法
既存防水層の上に絶縁シート敷設
塩ビシート防水を下地に対して固定する方法は、大きく分けて機械的固定工法と接着工法の2種類があります。
改修では既存下地の劣化度合いなどの影響をうけづらく、迅速に施工できるなどのメリットから機械的固定工法がよく採用されています。施工にドリルを使用する為騒音が発生します。
下地の動きに対してシートが追従しますので、そのため、下地に亀裂やクラックが入ったとしても防水層が破断しにくい特徴があります。
塩ビシート防水「かぶせ工法」
基本的に既存防水層の上に「かぶせて」防水層を新設します。そのため廃材を減らすことができます。
かぶせ工法を基本とするため、既存防水層の撤去にまつわる工程を短縮できます。
単層防水の塩ビシートは、複層防水と比較して不具合箇所が特定しやすいので、万が一の不具合にも原因を特定し、シートの増し張りなどで対応できるため補修も容易です。
非歩行・接着断熱工法
下地調整を施した既存防水層に対して断熱材を接着し、その上にリベットルーフを接着剤で固定する工法です。端末入隅部の固定用金物以外にビスを使用しない為、騒音対策が必要な立地や強風対策が必要な立地での施工に向きます。
高層マンションの防水改修、沿岸部のマンションの防水改修など、強風対策が必要な場合、接着工法等の他のシート固定手法を検討します。
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